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カウンセラーの対談「第15回ウォン・ウィンツァン氏、向後カウンセラー対談<第1回>」

第15回ウォン・ウィンツァン氏、向後カウンセラー対談<第1回>

ウォン・ウィンツァン氏 プロフィール

ウォン・ウィンツァン氏 ピアニスト、即興演奏家、作曲家

1949年神戸にて、香港出身の父、日本と中国のハーフの母との間に生まれる。1歳より東京で育つ。
19歳よりミュージシャンのキャリアをスタートし、ジャズ、前衛音楽、フュージョン、ソウルなどを演奏。その後、スタジオレコーディング/ステージミュージシャン、作編曲家として活動を続ける中、自らの音楽を模索。
87年、瞑想の体験を通して自己の音楽の在り方を確信し、90年よりピアノソロ活動を開始。この頃に現在のウォン・ウィンツァンのピアノソロ・スタイルが生まれる。
92年、インディーズレーベル SATOWA MUSICを発足、1'stアルバム「フレグランス」がFMから火がつきロングセラーになる。以後コンスタントにサトワミュージックよりアルバムをリリース、その数は20タイトルを超える。代表作に「Doh Yoh」「エイシアンドール」「たましいのトポス」「光の華」など。

ウォン・ウィンツァン氏また、NHKスペシャル「家族の肖像」、BShiスペシャル「中国世界遺産 九寨溝」、現在 季節放送中のNHK「にっぽん紀行」、そして毎週放送の長寿番組 Eテレ「こころの時代」のテーマ曲も手掛けている。
ピアノソロ以外にも、地雷犠牲者救援CD「もしも地雷がなかったなら」、クラシックアルバム「Debussy」、ジャズトリオ「WIM」など、多岐の音楽活動をおこなってきた。

2011年1月、19歳から数年の活動の後に解散した、フリー・インプロヴィゼーション・グループ「白カラス」を再結成。かつてのメンバー、山本公成、YAS-KAZと共に「解体と蘇生」というテーマで、新たな実験音楽の活動を始めた。
そして… 3・11を受け、3月16日より被災地に向けて、インターネットによるUSTREAM配信「サトワより祈りを込めて」を開始、ピアノソロを中心に鈴木重子さんなど数名のゲストを迎えながら、全35回に及ぶ配信を続けた。
また4月6日 風のホール「新たなる祈りのトポス」など一連のチャリティーコンサートを行い、支援金を募り、被災地に送り届けることが出来た。

ウォン・ウィンツァン氏ピアノソロ・コンサート、とくにインプロヴィゼーション(即興演奏)では、音の力でオーディエンスの深い意識とつながり、解き放たれた静寂空間を創り出してゆく。超越意識で奏でるその透明な音色に「瞑想のピアニスト」と呼ばれている。
お問合せ先:サトワミュージック 03-3950-8634

 

インタビュー第1回

向後カウンセラー(以下 向後):今日は、ピアニストのウォン・ウィンツァンさんをお迎えしてお話しをお伺いしたいと思います。こんにちは。

ウォン・ウィンツァン氏、向後カウンセラー対談ウォン・ウィンツァン(以下 ウォン):こんにちは。

向後:ウォンさんからは、いろいろとお話ししたいことがあるのですが、今日は、最近ウォンさんが熱心にとりくんでおられる、原発を巡る状況についてお話をうかがいたいと思うのですが、いかがですか。

ウォン:原発のことについては、他のところでもいろいろ話しているし・・。あっ、でも、セラピストの目に、今の状況がどう写っているか聴きたいですね。普通の人とは違う見え方ってあるじゃないですか?

向後:そう変わらないとは思うのですが・・。そうですね、僕自身今思っているのは、原発そのものの是非と言うより、特に原発をめぐって、とても意見が言いにくい雰囲気と言うものを感じますね。原発推進側と脱原発側で、会話のキャッチボールができていない。

ウォン:非常に未熟な議論を双方がしているよね。カテゴリーエラー、すりかえ、きめつけ。

向後:とても不健康な状況だと思うんですよ。ツイッターなどでも、意見が言いにくいという声を多くの方から聴きました。何か言うと、すぐ、たたかれちゃうらしいんですね。

ウォン:昨日、横浜で脱原発会議というのをやっていて、昨日だけで6000人もの人が集まったんですよ。その中でたまたま、某有名新聞社の南相馬にいた記者さんに会って、いろいろとお話しをうかがったんですけど。オフレコも含めて言っちゃうよ。

向後:大丈夫ですよ、後で編集しますから(笑)。

ウォン:当時現場にいた記者さんが言うには、あっと言う間にメディアの報道関係者がいなくなっちゃったんだって。会社としても自分の社員が被ばくしたらいけないというんで、あっという間に報道陣がいなくなっちゃったらしいんですよね。その記者さんは、それじゃまずいということで、個人で現地に入ってうろうろしていたとのことなんだけど。
記者は、いろいろなものを背負っているんだよね。彼が言うには、「とりたてて、はっきりした規制や圧力があるわけじゃないんだけど、報道全体がある方向にどーっと流れて行くんだよね」ってことなんですね。

向後:空気ができて、ある方向に流れていくと言うのは、そごくいろいろなところで見られましたよね。

ウォン:暗黙のうちに、圧力に対する恐怖なり不安なりが、自分の保身みたいなところからくるわけなんだけど、見えないものを恐れて、自分を抑制して、本来の仕事である報道がさあ・・。

向後:酷かったですもんね、最初の頃の報道。

ウォン:酷かったねぇ。

向後:僕は、たとえば、なんでメルトダウンの正式発表はあんなに遅れたんだろうということが、本当によくわからない。大きなメディアも、専門家の人達も、最初あんまり追及してなかったですよね。

ウォン:確か、最初保安院のなんとかさんが「メルトダウンが起こっている可能性もある」ということを言っちゃったんだよね。それで、政府を通さないで発表するのはいかがなものかということになって、それ以降、保安院は、政府を通さないと発表できないってことになっちゃった。

向後:メルトダウンなんか、本当にまずいことが起こっているわけじゃないですか。それでも公表しないというのは・・。

ウォン:そこなんだよね。昨日、南相馬の20キロ圏内にいた人が言っていたんだけどさ、3キロの人が10キロ、10キロの人が20キロ、30キロと避難区域が広がっていく時、だれも(メルトダウンの可能性のことを)言わなくなっちゃったので、とりのこされちゃった人もたくさんいるらしいんですよね。それで、もう本当に、なんというか、見捨てられたという感覚が、みんな残っているよね。

向後:責任者が、責任放棄しちゃっているのも見えましたね。ウソだろうと思っていたんですけど、東電のトップが「現場から撤収したい」と言ったという話しは、本当の話だったらしいですね。

ウォン:信じられない話だよね。責任放棄どころじゃないよね。

向後:ありえない。大変なことが起こるじゃないですか。

ウォン:そんなことやったら、今頃メルトダウンどころじゃなくなってるよね。

向後:東北地方から首都圏にかけて何千万人もの人が避難しなければならない事態になったでしょうね。

ウォン:かなりどたばたやっていて、本当に皆が責任放棄して、見えない圧力の中で、皆が保身に走って、皆が人を捨てていったということですよね。結果としてたくさんの人が被曝してしまった。そこに起こっている、ある種集団ヒステリー的な状態になっている人達もいるよね。ヒステリーっていっちゃいけないな。ある種の解離状態ですよね。

ウォン・ウィンツァン氏、向後カウンセラー対談向後:そうですね。恐怖の反応なんでしょうね。パニックのような状態ですね。あと、なにをどうしたらよいか分からず、戸惑っていた方々もおられましたね。例えば、東電の記者会見に出てきた方々とか、現地で事故について説明する人達とか・・。

ウォン:それを昨日話していたんだけどね。例えば、補償金の交渉をするわけじゃないですか。なんの権限も無い人間が、フォームを渡されて、ひたすら謝っているわけですよ。被災者の人達が「こっちは、こんなことがあって、あんな被害があって」と言うわけですが、彼らは、ひたすら謝るんだけど、なんの権限も無い。

向後:なんの意味も無いですね。

ウォン:だから、南相馬の人は、怒りまくって、憤りをとおりこすわけですよ。

向後:あとやっぱり放射能の恐怖とか、見捨てられ感とか、僕だってそんなに多くの人と話したわけじゃないけど、そんなことを感じますね。

ウォン:放射能の恐怖というのを彼らはすごいひしひしと感じていて、でも、最初は否認というところから始まるようなところがあって、「国が大丈夫と言うのだから・・」というところにしがみつく。それが、徐々に否認が溶けてきて、怒りになってきている。だから、がんの告知じゃないけど、否認とかかけひきとかいろんなことをやっている段階で、本当の意味で現実を認めていないのかもしれないね。

向後:その現実になんとなく周りの人達も触れられない雰囲気と言うのがあって、それがまた不健康さを感じさせるんですよ。
これらは、もう彼らが徐々に認めていくのを見守るしかないんですよね。

ウォン:そこら辺をね、向後さんに聞きたいところなんだけど、否認をしている人達がいる、自分の現状を認めない人達がいる、こういう人達とうのはどうしたらいいんでしょう?

向後:難しい問題ですね。どうしたらいいんでしょうね。否認している人で、どこかにそこから脱出しようとする意思のある人は、だんだん溶けてくるんですよ。現実に起こっていることはこういうことなんだと言うことを自分のスピードで理解していく。僕らはそれを丁寧にサポートしていくという形ですね。

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